オリジナル・レイズ
「あ~んアケミぃ」
マミコがアケミに駆け寄る。
アケミはマミコとスーツの男を交互に見た後、私に向かって軽蔑の視線で口を開いた。
「あんた、こんな時間にこんなトコで何やってんの?まぁ…一人じゃやることなんて一つくらいしかないよね」
「そっちこそ…私見たよ。そこの金髪の子が、このおじさんと援助しようとしてたとこ」
「違うもーん!道聞かれたから教えてあげただけ!ハイおじさん、もう道わかったでしょ、さよーなら!」
強引にスーツの男を帰らせるマミコ。
男が去って行くと、アケミが笑って言う。
「うちらが援助なんかするわけないじゃん。全みたいになりたくないもん。ね、マミコ」
何度も頷くマミコを尻目に、私は叫んだ。
「だから!全くんは…幼い頃の事故が原因で感染したの!あなたたちとは違う!!」
「何が違うんだよッ!こんな時間にここでブラブラしてる時点で、あんたはうちと同類…ッ」
応戦するマミコの口を塞ぎ、アケミは静かに言った。
「…援助しに来たのは、あんたの方でしょ?」