オリジナル・レイズ
「無断でカメラ仕掛ける奴とか、無理だって言ってるコト強要してくる奴とか普通にいるしね。
うちら高校生じゃん?病気になったって検査とか行きづらいしさぁ、そうなると放っておくわけよ」
アケミの話を聞いているうちに、マミコはうつむき気味になり、ポツリと言った。
「アケミ…まさか、酷い病気もらったからやめたの?」
アケミはしばらく黙り、
一瞬笑うと私の目を見据えて言った。
「…カンジダ放っておいたの。うち、もう子供産めない体になっちゃった」
――…嘘…
私が声に出す前に、
黙って聞いてたマミコが泣き出した。
「そんな、アケミ、なんでそんな大事なこと黙ってたの!?うち絶対他の人に言ったりしないよ!赤ちゃん産めないって、そんな…だってまだ15歳じゃん…」
かける言葉さえ見つからず、立ち尽くす私。
泣きじゃくるマミコ。
世界中の女子高生の中で、きっと一番大人びた顔をして、マミコをなだめながらアケミは言った。