オリジナル・レイズ

それから私たちは、
再びいつもと変わらない夜を過ごしていた。


先生を呼ぶ時は先生。

だって先生、言ってたもんね。

妹はもう10年前に亡くなったって…
事実は変わらないって…


やっぱり、いつもの冷静で大人な先生だね。




白い星から飛び出したガスは、天体望遠鏡で見るととても美しくて、あれが本当に自分の姿だとは思えないほどだ。


もう、死んでいく星を見ても怖くはない。

ただただ美しくて、見入ってしまっていた。



「あのガスが惑星状星雲だよ。惑星みたいに見えるから、この名前がついたと言われている。中心に残った白い星は、白色矮星(はくしょくわいせい)だ」



天体望遠鏡から離れない私に、先生は優しく教えてくれた。



「もともとあの星は、太陽と変わらないくらいの大きさの恒星だったんだ。
あまりにも巨大だと、最後は爆発して、ブラックホールになったりする星もあるんだけどね」



先生に教えてもらえると、なんだか嬉しい。

私はつい、ふふっと笑ってしまった。


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