オリジナル・レイズ
「いや~、さすが!まいったよ。ツバサちゃん、学者にでもなったらどうだ」
先生も、私に感心してくれていたみたいだ。
「もし学者だったら…目の前で起こっている星の死は、きっと受け入れられません。だって、あれは奇跡の塊なんですよ」
亡くなった人間が星になるという奇跡。
星が人間に恋をするという奇跡。
そして、恋する星が人間の姿になるという奇跡…
この奇跡を起こしてくれたのは、神様なんだよ。
神様はいるんだよ。
この広い宇宙のどこかに――
「あの星は死ぬまで、何千倍…いや、きっと今、何億倍もの速さで時間が進んでいます。
もしかしたら、宇宙で一番最初に発見される黒色矮星になるかもしれない」
「そうだね。そしたら、高遠もきっと喜ぶな」
「…はい」
全くんが、
無菌室で眠ったままになって…
会えないまま、秋が過ぎていった。