オリジナル・レイズ
――そうか。
そうだったんだ。
全くんが私を見つけてくれた理由がわかった。
「…全くん、その星はもうじき死ぬわ」
「えっ?」
「死が近づいてくると、星はみんな一度赤くおおきくなるの」
そう言いながら、私は彼に近づき、望遠鏡に触れる。
「え、でもセンセーは、温度の低い星が赤いだけだって言ってたけど…」
「それも正解なんだけどね。でも、この星は違うの」
私は望遠鏡を覗いた。
思ったとおりだった。
核融合反応ののち、熱による圧力でどんどん膨らんでいく自分の姿。
もちろん、この望遠鏡ではそこまで細かくは見えない。
しかし、自分の体の状態ぐらい、見えなくても見えていた。
こんなに大きかったっけ…
≪通常の何千倍もの速度で滅んでゆくがよいか?≫
あの声が、頭の中に蘇る。