オリジナル・レイズ
【天文学部の活動記録】
【今夜から活動を始める。俺はもうじき死んでしまうから、生きてきた証を残すためだ。
俺だけじゃなくて、ツバサがあの星ももうじき死ぬんだよと言っていた。
だから、俺と、あの星と、ツバサの3人がこうして過ごしてきた記録を残せたらいいなと思う】
「・・・なにコレ。ただの日記じゃない」
「しかも、顧問の名前入ってないんだぜ。これは指導室行きだな」
自然と笑顔がこぼれる私たち。
ノートをデスクの上に広げ、先生は私に椅子を譲ってくれた。
見やすいようにスタンドライトもつけ、私はノートの続きを読む。
【今日から夏休みだ。ツバサとどこか遊びに行きたいが、俺はもうチャリこげないし、駄目な男だ。こんなんで、ツバサのこと守れんのかな】
【初めて会った時と星が違うなって言ったら、普通に突っ込まれる。ツバサが隣にいると星がきれいに見えるって、勇気出して言ったつもりなのに。伝わらなかったみたいだ。まぁ俺のキャラじゃないしな】
【膨らみ続けた赤い星は、もうでかくならないとツバサが言ってた。破裂しなくて良かったな。破裂したら痛いだろうな】
活動記録って…星のことは一切書いていない。
私と過ごした日々のことばかり。