オリジナル・レイズ
そこから、少し日付が飛んでいた。
【今日から車いす、ツバサがかたをかしてくれるから、ねころがれる。たまーに、ねてしまう】
【ほしを見ているんだけど、よく見えない。目がわるくなったのか?気づいたらねてたりする】
【あつい、だるい。でもツバサがいてくれるから、大丈夫。元気がでる】
【今日はひまわりのたねをたべた。しらないナイフがカバンに入っていた。もう死ねってだれかに言われてる気がする】
漢字と平仮名が交じり、短くなっている文章。
ナイフで連想される被害妄想。
すでにウイルスが脳に入っていたことを物語っている。
そこからは白紙になっていた。
閉じようとした時、その手を先生が止める。
「ごめんね。一番最後のページ…何か書いてあったみたいだよ」
「最後の?…」
私は背表紙をめくり、最後のページを出した。