オリジナル・レイズ
【このページを見たということは、この日をちゃんと迎えられたということだ。俺は生き残れた。天文学部として、ちゃんと最後まで活動できたということだ】
「ふふっ、子供みたい」
ノートを買ったその日に、最終日を予測して真っ先に書いたのだろう。
全くんの性格が表れている。
【俺のことだから伝えてないと思うから、ここに一応書いておく。俺はツバサが好きだ。ツバサがいなかったら、俺は天文学部なんてできなかった】
・・・・・・・
…え?
【バスケもできなくなって、宇宙飛行士にもなれなくて、俺には探し出さなきゃならない星があるのに、何の夢も叶えられないまま病気に負けるところだった】
【でも、ツバサに会えたからもういいんだ。俺はもう、探してた星を見つけたんだと思う。ツバサに会えたことで、夢が一つ叶った】
【ツバサと二人で見てたあの星は、まだ生きてるか?もし生きてて、名前のない星だったら、俺はツバサって名前をつけるつもりだ】
【ずっと俺の側にいてくれ。
1年3組 高遠 全】