オリジナル・レイズ

その時私はふと、
神様と交わした最後の会話を思い出した。


「…先生、レイズってどういう意味ですか?」


レイズという力で、神様はもう一度私を生まれさせてくれた――


「ん~…レイズ?光の線じゃなかったか?放射線とかX線とか…紫外線」


先生が、今にも眠ってしまいそうな声で答える。



神様がくれた不思議なチカラ。



≪この力はraysという…≫


『レイズ…?』



倒れているところを全くんに助けられる直前、神様が残した最後の言葉。


星が死んでゆく際に放出されるエネルギーを、奇跡に変えてくれた…

私だけにくれた、特別なチカラ。



なんとなく、わかるの。

この力はもう、長くはもたないって。



でもいいの。


最後の奇跡まで

神様は起こしてくれたから…


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