オリジナル・レイズ

――それは、あの星は私自身だから。

…そんなこと言えない。

私は笑って、勘かな?と流した。



すると、全くんは足元にあった小石を拾い、
校庭の方へ向かって思いっきり投げた。


中庭はコンクリートの白い道を挟み、校庭へとつながっている。

校舎自体がコの字型をしているからだ。



だから、この学校の中庭からはよく星が見える。





「ツバサー、俺さぁ…宇宙飛行士になるの夢なんだ」


「宇宙飛行士?」


「どう思うー?」




宇宙飛行士。

だから、全くんはこんなに星を見ていたんだ。



「素敵だと思う」


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