オリジナル・レイズ
自分以上に経験豊富な子供達を相手に、俺は自分なりの言葉で頑張って伝えた。
“…お前たち、そういうことするのはもう少し大人になってからにしなさい”
とも言いたかったが、逆にからかわれそうなので自粛した。
性的接触1回当たりの感染率は0.67%だが、性器が炎症を起こしている場合や他の性感染症にかかっている場合は、4倍近く感染確率が上がる。
膣性交・肛門性交ともに、挿入を受ける方が広い範囲の粘膜を晒されるため、感染確率は上がる。
口での感染確率は0.1%程度だが、決して0%ではない。
一見低い数字に見えるだろうが、確実に年々感染者は増えている。
ただ低い数字だからこそ、感染力の弱いウイルスであることを忘れてはならない。
だからこそ、
日常生活では絶対に感染しないのだ。
何度も言うが、感染したからといって必ず死ぬわけじゃない。
発見が早ければ早いほど、今まで通り、普通の人として生活することは可能である。
昔よりは金銭的な補助も増えた。
しかし長期に渡る大量の投薬、通院は、決して楽なことではない。
完治させる方法も見つかっていない。
当然ながら、感染しない方が良いに越したことはないのも、また事実なのである。