オリジナル・レイズ
「…とりあえず先生は、みんなにちゃんとした知識を持って欲しかったんだ。偏見を捨てて、みんな正しい知識を持った大人になってくれ」
…こんな感じで、ちゃんと伝わっただろうか。
本当はもっともっと、自分が吸収した知識をみんなに話したかった。
身内に感染者が出たらどうすればいいかとか、感染者でも赤ちゃんを産む方法はあるとか、その他モロモロ…
しかし、ひととおり話終えて一息ついたとき、
クラス中から静かに拍手が上がった。
…ありがとう。
真剣に聞いてくれて。
「それからもうひとつ、伝えなきゃならないことがある。先生は、今年度いっぱいでこのクラスの担任をやめることになった」
一瞬静まり返る教室。
『ええッ!?』
『どうして??』
『他の学校に移るってことですか!?』
俺は大きく息を吸い、教壇から全員の顔を見渡して言った。
「特別支援学校へ行くことに決めたんだ」