オリジナル・レイズ
私は立ち上がり、光の筋があった場所に向かって、手を合わせて目を閉じた。
…でも、隣に全くんがいることが恥ずかしくて、何もお願いできなかった。
つまり、お願いする素振りだけしてみせた。
それを見て、全くんも両手を合わせて目をつむる。
そして、
「ツバサの貧血がなおりますよーに!」
と声を張り上げた。
もちろん驚いた。
まさか、そんなことお願いしてくれるなんて。
「これで、もう大丈夫だぞ」
全くんはニカッと笑う。
つられて私も笑った。
あんな小さな星の筋じゃなく、もっと大きい流星が、宇宙ではたくさん見ることができた。
全くんに、いつか見せてあげられたらいいのに。
きっと、喜んでくれるだろうな。