オリジナル・レイズ

すると、全くんが唐突に不思議なことを呟いた。


「なぁ、人は死んだら星になるって本当かな?」


「えっ?」


「いや、小さい頃さ、聞いたことがあったから。ごめんな。忘れて?」


全くんは照れくさそうに言った。




人が死んだら…?

急に何言い出すんだろう。




冷たいことを言うつもりはなかったのに、

私は自分でもびっくりするぐらい冷たい返事をしてしまった。




「…人だけじゃない、星にだって死があるんだよ。星が死んだら、また星になるの。だから、有り得ないと思う」




全くんがきょとんとしている。

当然だ。

慌ててフォローに入った。



「あ、でも、死んで星になった人が流れ星になって還って来るって、素敵な話だよね」


< 29 / 220 >

この作品をシェア

pagetop