オリジナル・レイズ

「…そうだな」


全くんは笑顔で言ってくれた。

でも、その笑顔は、何だか作られた表情のように見えた。


何だか気まずくなり、私は黙ってしまった。

しばらく沈黙が続く。




…人が死んだら星になる??

じゃあ、私は計算上、100億年前に死んだ人ってことになる。


100億年前。
ようやく銀河系が誕生したときだ。

人はおろか、太陽も地球もまだできていない。

ばからしい。
ありえない。


とても冷たいなと思いながらも、そんなことを冷静に考えていた。





ただ…




『星になった人が、流れ星になって還って来る』


ふいに自分の口から出た言葉。


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