オリジナル・レイズ
「…小さい頃さ、俺、本気で死んだ人は星になると思ってたんだ」
「・・・・・・・・・・」
「だから俺、宇宙飛行士になりたいって子供の頃から思ってたんだ」
息切れしながら、全くんは続ける。
「その人が星になってたら俺、絶対一発でわかると思うんだ。宇宙飛行士になれば、宇宙に行って探してあげられるだろ?」
今日の全くんはおかしいなと思っていたが、
私は直感した。
「…誰か、大切な人が亡くなったの?」
全くんは私を見ず、夜空から目を離さないまま話し続けた。
「小学校入ってすぐさ、親父の転勤で行った海外で俺、交通事故に遭ったんだ。その時俺をかばって、飛び込んでくれた人が亡くなった」
「…そうだったんだ」
そういえば、長袖をまくった全くんの腕に、傷跡らしきものが見える。
全くんも、相当な大怪我だったんだろうか。