オリジナル・レイズ
よほど私が心配そうに訊ねたのだろう。
全くんは、どうしたんだよ、という顔をした。
「まぁ、バスケ部の大会もじきにあるし…今までみたいに毎晩は無理かもしれないなぁ」
「全くん、バスケ部だったんだね。知らなかった」
私の知らない、全くんの素顔。
寂しかった。
悲しかった。
星が大好きな人なんだと思っていたから。
…単に私の思い込みだっただけだから、落ち込むのは間違ってるんだけど。
もしかしたら、宇宙よりバスケの方が好きなのかもしれない。
そう思ったら、心がズンと重くなった。
「それよりさ…」
全くんが続ける。
「さっきの、『もう星見るのやめちゃうの?』ってさ、もしかしてずっと知ってたの?俺が毎晩星を見てたこと」
不思議そうに、私の瞳に問う。