オリジナル・レイズ
「…知ってたよ」
私は正直に言った。
全くんの目をまっすぐ見て。
「もうすぐ死んでしまう星がひとつある。きっと、もう二度と見られないだろうから、いい機会だから見届けてみたら?星の死ぬ瞬間を」
全くんは眉をひそめる。
「そんな早く消えたりしないだろ?星は。ツバサに聞いたベテルギウスも、センセーに聞いたら、まだまだ当分消えないって…」
「…全くんのために死ぬんだよ」
全くんが言い終わらないうちに言葉が出た。
「全くんのために、今、普通の何億倍ものスピードで滅ぼうとしているの」
決して嘘じゃない。
全くんのために死ぬって言うのは、少し語弊があるかもしれないけど…
私が勝手に決めたことなんだけど…
――でも、
あなたに逢いたい一心で、残りの命を捧げたのは真実だから。