オリジナル・レイズ
「…どうして、ここがわかったの…?」
震えが止まり、少し落ち着いたところで私から口を開いた。
全くんは私のななめ前で、あぐらをかいている。
振り向かずに返事がきた。
「わかんねぇ。とりあえず、学校じゃなきゃこの辺かなって思って。最後に会ったのここだし」
全くんは、まだ少し呼吸が乱れている。
一生懸命助けてくれたからかな。
「…だから、今日は、ツバサに謝るつもりで…」
「え?」
「俺が、もう星見ないかもしれないとか、そんなこと言ったから、来なくなっちゃったんだろ?」
「・・・・・」
「今日、その罰が当たってさ。だからツバサに謝ろうと思って来たんだ」
「罰って?…」
私は手をつき、四つん這いになる形で全くんの顔を後ろから覗こうとした。
しかし全くんは顔をそむける。
私は、全くんに近いほうの手で全くんの腕を引いた。