オリジナル・レイズ

「うわぁ、びっくりした!!ツバサ、いつからそこにいたんだよ」



…まさか、今まで気づかなかったの?


いや、そんな私も、いつ自分の意識が戻るかわからないわけだから、
私自身いつからここに居たか知らないんだけど。



でも、良かった。
いつもの全くんだ。


「ボーっとしてたよ!考え事?」




私が指摘すると、全くんはぼさぼさの頭を掻く。


「最近、センセーにも言われんだよなぁ。ちょっと遅めの五月病だって、クラス中で笑いものだよ」


全くんは笑いながら言う。


「…部活の筋トレや基礎練にも、身が入らなくてさ」


全くんの笑顔が曇った。


「やる気ないなら、もう来なくていいってさ…」




――もしかして、

それが全くんの言ってた
“罰”?


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