オリジナル・レイズ
同時に私は直感した。
「…初恋の人のこと、考えてるせい?」
「え?」
わ、バカ!
全くん部活辞めたばっかで辛い時なのに、何言ってるんだろう。
「考えてねーよ。ツバサのこと考えてる」
全くんがニヤリ。
「…もー、そんなのいいから勉強に集中しなよっ」
つい照れてしまい、ノリできつく突っ込んでしまった。
本当なら…
そっか、辛かったね。大変だったねって可愛く言ってあげたいのに。
私、なんでこんなガキなんだろう。
一生を終えようとしている大人なはずなのに。
全くんの初恋の人は…
全くんが、若い女の人って言ってたけど、子供を救おうと飛び込んじゃうくらいだから
しっかりした女性だったんだろうな。