オリジナル・レイズ

「初恋ってか、憧れだな。俺の面倒よくみてくれたし、姉みたいに慕ってるとこもあったからな」


「…そっか」



それでも、
たとえ恋愛感情じゃなくても

その人が全くんの中で、大切な人として残っているのは伝わってきた。



「…それじゃさ、全くん…」


いけない。
また変な質問しそう。


私は言うのをやめた。




「なんだよ??」


「…ねえ、あの赤い星はどうなってる!?」



急いで話題を変えた。




――私が消えてしまっても
忘れないで居てくれる?


…そんなの、怖くて聞けないよ。


忘れられるのが怖い。


< 54 / 220 >

この作品をシェア

pagetop