オリジナル・レイズ
【悪魔】
ゆうべの事が、鮮明に蘇る。
私の悲鳴を聞き、
職員室から何人かが駆けつけ、しばらくして救急車が来た。
今まで
全くん以外の人と話すのがなんとなく怖くて、
学校でも、他の人が近づいてきたら隠れたりしていたのだが
今回だけは別だった。
逃げたり、隠れたりさえできなかったんだ。
――当然だ。
私のせいでこうなったんだから。
私は全くんの家族でも恋人でもないから、一緒に救急車には乗れなかった。
ざわざわと騒ぐ数人の中に混じり、呆然と立ち尽くす。
全くんが運ばれて行った後、全くんが以前センセーと呼んでいた男性と偶然目が合った。
…怖い…
思わず目を逸らすと、男性は口を開いた。
「一緒に、病院に行くかい?」