オリジナル・レイズ
それから、高遠は練習が終わると中庭に向かうようになった。
部活が終わるのが待ち遠しかった。
高遠はまじめに部活に出ていたから、誰も悪く言う奴なんていなかった。
今日も星を見る。
明日も明後日も。
幸い、5月は晴れの日が多い。
どうしても星を見つけ出したかった。
大切なあの星を。
そんな高遠を、優しく見つめる視線があった。
渡先生ではない。
高遠に恋する視線。
それは、すぐそばからの想いじゃない。
ずっとずっと遠い、
宇宙のはるか彼方から。
彼女との出会いが、バスケ部高遠を天文学部設立へと導いていく…。