オリジナル・レイズ
【記憶の糸】
…あれ。
頭痛い…
ここ、どこ…??
目が覚めた時、私は病院のベッドに居た。
そうだ、全くんのお母さんと話していて…
急に目の前が真っ暗になったんだ。
――全くんは?
その時、扉が開いた。
「気がついた?」
全くんのお母さんだ。
「おばさんの車で、ここまで運んできたのよ。なかなか目を覚まさないものだから…」
「…すみません。心配かけて」
それには答えず、全くんのお母さんは冷たい眼差しで言った。
「…全、雨に打たれたせいで風邪ひいちゃったみたい。別の病室で今、休んでる」