オリジナル・レイズ
私が考えていたことを、全くんはわかっていたようだった。
「それでさ。うちの母親が、ツバサのこと…あいつに似てるって」
「あいつって、その女の子に…?」
全くんはうつむいた。
「違うんだろ?」
視線だけ私に向け、うつむいたまま、上目使いで訊ねる全くん。
6歳の頃の面影を、
思い浮かべてしまう。
見たことないはずなのに…
「あいつが言ったんだ。人は死んだら星になる。だから、自分がAIDSを発症していつか死んでも、ずっと俺のこと見守ってるって。それで、いつか流れ星になって還ってくるって、言ったんだ」
私は言葉が出なかった。
「違うんだよな?…」
私は、星だよ。
100億年前に生まれた星――
それ以外の何者でもない