空の涙 君の手で
空は曇り…。

どう考えようもないこの天気は、いつまでたっても好きになれない…。

「落ち込むなぁ~…。」

五教科全部、テストの点数が悪かったあたしは強制的に塾送り…。

はぁ~…。

もぉ、やだよ…。

雨が降らないで、一か月。

微妙な天気が続いてる。

あれっきり、先輩からの連絡も途絶えた。

土曜日…。

恨むぞ…。



ぽつ…ぽつ…ぽつ…

「あ…雨だ…。」

少しずつ小粒の雨が降ってきた。

先輩…。

あそこに行けば…会えるかな…??

はぁ…はぁ…はぁ…

「つ…着いた…。」

誰も、いないなぁ~…。

やっぱ、今日は来ないのかな…。

小粒の雨だし…。

でも…落ち込むなぁ~…。

奥から楽しそうな二人が歩いてくる…。

アイアイガサしてる…仲がいいのかな・・・。

あたしも、先輩とあんなふうに歩きたい…。

そう思った瞬間…

「え??」

あれって…。

うそ…。

あたしは自分の目を何回も何回もこすってみた。

でも、目の前の風景は変わらない。

「せ…先輩…。な…何で??」

隣の人は…確か…うちの学校の先輩…。

奈七先輩だっけ…。

「はは…ははははは…ば…馬鹿だよね…あたし…。」

あたしの目からは、涙、涙、涙…。

一人で期待してたあたしが悪いんだ…ははははは…。

もう、どうでもいいや…。

先輩…どうして…。

じゃぁ、なんであんなに近ずいたの??

あたしはなんだったの??

ただの遊び??

「もぉ…やだよ…。」

先輩…二度もあたしに期待させといて…ずるいよ…。

好き…でも好きなのは…何で??

あたしは、あなたを忘れることができるかな…。

一年前のように…。

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