空の涙 君の手で

優しい雨と冷たい雨と

先輩に会って、一週間…。

日がたつのは早くって…。

前ほど、雨が降ってほしいとも思わなくなった。

特別な先輩が見れたみたいで、毎日がうきうきなんだ♪

こんなあたしを見た先輩はなんて言うか分かんないけど、今はそれでもいい…。

「ひかるぅ!!!今日雨降る??」

天気に詳しいらしいあたしの心友は今日の天気を予想中…。

〔ん~微妙だね…生ぬるい風が吹いてるから午後からは雨なんじゃない??〕

ひかるは、あたしの異変を察したのかこう聞いてきた。

〔なにかあったの??夏那最近、雨好きだよね…。〕

図星…図星だよ…ひかる…。

あたりすぎて怖いくらい…。

「ん~…ちょっとハッピーなんだな♪」

ひかるだけに、ほんとのこと言いたくて全部言っちゃった。

〔なになに??〕

ひかるは興味深そうに聞き入っている。

「あのね…あたしが前に片思いだった先輩いるじゃん??その先輩に遅刻した時に会ったの。傘さしてくれてね…。」

あたしは、ほんとのことを全て話した。

聞いたひかるは、

「え!?よかったじゃん!!!なんでもっと早く言ってくれんかったん??もぉ!!!夏那ったら((笑」

ひかるは、笑って祝ってくれた。

つきあってもないのに…変だけど…。

あたしは、ひかるが好きだよ。

ありがとう、ひかる。

雨の音が学校の校舎に、こだました。

「今行くからね…先輩…。」

いつの間にかあたしは、走り出した。

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