空の涙 君の手で
げっ!!!

校門閉まってるんだ…。

がっかりだぁ~…。

雨に濡れた背中を重く感じながら引き返している途中…愛しいあの人の声がした。

『お~い!!!俺に会いに来ないの??今なら行けるよ??夏那ちゃん♪』

せ…先輩!!!

なぜか、楽しくなった。

先輩には、そんな力があるんだね…。

「あの!!!行ってもいいんですか??」

聞いてみた。

答えを、聞きたかった。

先輩…答えて…。

『……言ったよな…いつでも、来いって!!!待ってるって!!!だから、来いよ!!!』

楽しそうな先輩の声。

期待してたんだ。

こう答えてくれる…先輩を…。

「はい…!!!行きます!!!」

振りかえると、愛しいあなたが待っててくれたんだよね…。

大きい手をさし出して…。

『来いよ!!!』

って、笑ってくれたよね。

あたしは、幸せでした。

その手を掴んで、今、走って行きたいです…。

永遠に…あなたと…。

気がつくと、雨が…やんでた…。

先輩…行っちゃうの??

行っちゃうの??先輩…。

雨…もうちょっと、このままでいたいよ…。

あなたの手を、感じていたい…。




さっきまで降っていた優しい雨が、冷たい晴れに変わっていった。
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