Automatic Dream
「ノブ君、おはよう」

「ああ、おはよう、かえで」

顔と男は挨拶を交わす。

「ユキ君もおはよう」

「ああ……」

ところで……。

「トシ、今は何時だ」

「8時半だよ、ネボスケ」

「あはは、ネボスケさん」

この二人の言い様には腹が立つが…それよりもだ。

そんなに寝てしまったのか、俺は。

あと10分でホームルームが始まってしまうという時間だ。

この二人は、俺の親友の佐伯俊信と麻乃葉楓。

まぁいわゆる幼馴染ってやつで、生まれた日にちも、病院も、病室までも一緒で、家も近所。

親同士も昔から仲が良かったらしく、必然的によく遊んでいたのだ。

最早、運命としか言いようの無い出会い方をした俺たち三人は小、中、高と同じ学校に通い、そして当然のように志望する大学も一緒である。

しかし高校生ともなると、いくら仲が良いとは言え学力に差が出てくる。

俺なんか、この前の定期試験では赤点ギリギリだった。

しかし、どうやらトシもレッドラインとニアミスを起こしたらしく、成績の方は俺とタメだ。

何も成績まで仲良くする必要は無いんだぞトシ、って言うか俺。
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