Automatic Dream
「おい、聞いてんのか?」

「ああ…悪い、全身全霊で聞いて無かった」

どうやら何か話し掛けられていた様だ。

「何だよ、その聞かない様に努力してた的な物言いは」

別にそんなつもりは無かったが、敢えて何も言わんぜ。

「だから悪かったって。で、何だよ?」

「今日はどうしたんだって話。いつも登校一番乗りの我等がクラスの委員長も驚いてたぞ? いつも遅刻ギリギリの神代が自分より先に来て、デカい鞄抱えて寝てるってな」

「驚かして済まなかったと伝えてくれ」

「そんなの自分で言え。それより、一体どうしたのか、それに答えて貰おう」

そうは言われても、夢の事を話してしまうのもおっくうだし、今すぐ作り話を吐ける程、俺の頭は優秀な代物でもない。

「おや? だんまりかぁ? この俺に言えない事なんか無いだろ? それとも俺はそんなに信用出来ないか? お前にとって幼馴染ってのは、その程度の物なのか? おいかえで、お前からも何か……あ?」
< 19 / 71 >

この作品をシェア

pagetop