Automatic Dream
まさか……。

「宿題はやったさ。全部な」

何と言う事だ……。

俺はトシなんかよりも劣る存在に成り下がってしまったのだ。

まぁ、今までも劣ってはいたが、少なくとも勉強においては同レベルだと思っていたのに。

ああ……死にたい……。

「まぁ聞くまでも無いだろうが、お前はやったのか? どうせ、1ページもやってないんだろ?」

聞くまでも無いと思うなら聞くな。

バカにされても、ヤツの言う通りなので言い返せない。
そんな自分に腹が立つ。
立てても仕方無いが。

その時校内に音が響き渡る。

講習も受けて無かったし、夏休みの間学校に来る事も無かった俺にとっては懐かしくもあり、また学校が始まってしまったのだとゲンナリさせられる音でもある。

まぁこんな俺の心境まで描写する必要は全く無いのだが。
チャイムが鳴っただけだし。

「おっと、ホームルームの時間ですか。じゃ、また後でな」

そう言って自分の席に戻って行く。

しかし同じクラスなんだし、そんなに改まって言う事もあるまい。
まぁどうでもいいが。
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