Automatic Dream
しかして担任を待つ3年5組の住人一同。

でも来ません。

何をしているんだ、黒河。
担任が来なきゃ俺達も動きようが無いぜ?

とそこへ、ドアを開けて入って来たのは、なんて言ったっけ、名前……。
まぁ良いや、隣のクラスの担任教諭が入ってきたのだ。

「始業式なので、廊下に出て並びなさい」

そう言って引っ込んだ。

何だか良く分からんが、始業式に出席しない訳にも行くまい。
担任がこないのは若干気になるが、まぁ風邪か何かだろう。

ああ……しかしダルい。
あの長ったらしい校長の訓辞には、本当にウンザリさせられる。

俺とトシは野田校長の声帯には催眠音波の発生器官があると、半ば確信している。

やれやれだ。
この学校には冷房なんて言う文明の利器は存在せず、特に体育館は暑い。
生徒にとっちゃ拷問以外の何物でも無い訳だが、それを知ってか知らずか、とにかく飽きもせずよくやるもんだ。

なんて事を考えつつもやっぱり行かない訳にもいかず、まだ椅子が恋しいと駄々をこねる重たい尻をなだめすかしつつも持ち上げ、嫌々廊下に整列するのだった。
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