Automatic Dream
「馨よ。篠崎馨。改めてよろしくねぇ」

馨ね。
よろしく。
ってかサトラレに関してのツッコミは無しか。

「さて、何故貴方をここに連れて来たのか。それはあなたが特別だからよぉ」

ますます信じられん話だ。
ここまでノーマルな人間も珍しいくらいだぞ。

「人間はバクによって造られた存在。バクが食べる為の夢や記憶の製造機。自己増殖と自律進化を繰り返すプログラムみたいな物なのよぉ」

造られた存在。
プログラム。
やっぱり信じろって方がどうかしてる。
第一、ここは夢の中だろ?
信憑性皆無だ。

「でも人間をプログラミングしたバクだって神じゃない。プログラムは完璧じゃなかったの。人類が造られてから約500万年。その長い年月の中で少しづつバグが蓄積されていったわぁ。そして遂にプログラムに異常を来したのよぉ」

無視か。
見事過ぎるスルー。
ってかどうでも良いが、あんたのその話し方さ。若干ウザイな。

「あら、ひどいわねぇ。でも、良く言われるわぁ」

直せよ。

「そんなことどうでも良いでしょ。話を元に戻すわよ。ともかくバグがたまって……」

プログラムに異常を来たした、だろ?

「そう、その異常こそが、貴方」

俺はバグかよ。
ヘーそうかい。

「信じて無いわね」

だからさっきから言ってるだろ。
バカにしてんのか?

「確かにね。信じる訳は無いと思ってはいたけど」

そりゃあそうだ。
信じる奴が居たら、そいつは頭のネジが二桁程欠落しているに違いない。
当然あんた等もな。




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