Automatic Dream
目覚めたときにはホームルームが始まっていた。

始まってすぐのようだ。

日直が「起立、礼」と言って皆が着席するところだった。

んん?
また視線を感じる。

顔を上げると未だに皆の視線が自分を中心に渦巻いているのが分かった。

おかしい……。
俺が朝礼の時寝てるのはそんなに珍しくないだろうに。

その時俺は視線の渦の中にトシとかえでのそれが混じっている事に気付いた。

アイツらまでなんだってんだ。

何かしたか俺?

何なんだよ、この他人行儀な空気は。

「はいおはよ~!」

教卓に居るのは又してもあの女。

「早速だけどお知らせがありま~す! 実は今日、新しいお友達が転校して来ました! もう皆気付いてると思うけどね! じゃあ神代君!前に出て来て自己紹介して貰えるかな?」

一瞬、何を言われたのか分からなかった。

「……は?」

「ほらほら! 早く早く!」

佐藤が手を引き俺を教卓に立たせた。

皆はなるほど、と言った表情。

意味が分からん。

何がどうなってこうなったんだ。

転校生? 俺が?

「あの……これはどう言う……」

そう言ったが佐藤はガン無視。

笑顔で俺のワイシャツの第3ボタンを見つめる。

「なぁ委員長、何だよこれ。ジョークのつもりなら全然センスないぞ」

最前列センターに陣取る委員長に聞いてみた。

委員長はキョトンと言う擬音が聞こえてきそうな顔をした後、何故自分が委員長だと知っているのか、とでも言いたそうな顔になった。

何だよ……。
何なんだよ、これ……。

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