Automatic Dream
当の本人の気配はしないけどな。

職員室は……2階だな。
ここからだと西階段を使えば速いか。

ってか今何時だ?

部屋に備え付けの時計は5時を指してる。

放課後か。
随分寝てたもんだ。

この時間なら一階に余り生徒は居ないはずだ。

待てよ。
職員室に行ったとして学籍簿なんてどうやって見せて貰えるんだよ。

通常、生徒には見せないものだったはず。
こんなダメ学生になら尚更だ。

その時、ノブを捻る音が俺の鼓膜を貫いた。

しまった。
帰って来たか。
おかえり保険医。
さよならマイライフ。

「あら、起きてたの」

ただいまマイライフ。

佐藤だった。

丁度良かった。
ちょっと付き合って貰うぜ。
色々と聞きたい事もあるしな。

だけど先ずは学籍簿だ。
佐藤と一緒なら見せて貰えるだろう。
曲がりなりにも教師の枠に収まってる訳だし。
教師からの進言なら事務の連中も首を縦に振るさ。
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