Automatic Dream
43℃
はー……。

生き返るねまったく。

いやまったく。

ふぃー……。

しかしそろそろ上がるか。
のぼせちまいそうだ。

今にもカポーンとか言う効果音が聞こえてきそうなこの場所で、ゆっくり湯船に浸かり、サッパリだ。

大量の湯気が立ち上ぼるここは、温泉。
大浴場だ。

たまには良いもんだな、こうやってゆっくりするのも。
温泉なんて久し振りだ。

ゆっくりさせて貰うか。

…………。

待て。ちょっと待て俺。どうして気づけなかった。気づくまでにこんなに喋ってしまったわ。

前にもあっただろこれは。良かったよ浴槽で気づけて。部屋まで行ってたらまた驚かされてしまうところだ。

「そうそう、あん時のあんたの驚きようったら面白かったわねー」

俺のリアクションは描写しなくても分かるよな? 割愛させていただく。

ってちょっと待て! ここは男湯デスヨ? そして健全な18歳デスヨ?

「あら見たいの? 良いわよ別に、こっち見ても」

いや止めろ。遠慮しておく。私はそんな挑発には乗らないぞ。止めろ来るな佐藤! 俺の正面に来るなっ!

「って水着かよっ!!」

水着だった。びっくりするほど水着で、かつ驚くほど水着だった。

「エッチ」

ええい、黙れ黙れ。だから、健全な18歳デスヨって。ふん、大体貴様になど興奮せんわ、恐れ入ったか。

「えー。あんたロリコン? それともあんたまさかそっちの人?」

違うわっ! 誰がガチホモだ、誰が。

「じゃあ何でよ。この体に興奮しない男などいないわっ!」

言ってて恥ずかしくないのか?

「お黙りなさいな」

キレんなよ。

「痴話喧嘩もそれくらいにして置きなさいよぉ」

またか……。割愛!!

「割愛しないでよぉ。結構面白いのに」

馨だった。ってか面白いって何だよ。終いにゃ怒っちゃうぞ?

ってちょっと待て! ここは男湯デスヨ? そして健全な18歳デスヨ?

「だから見たいんでしょ」

俺のイメージをスケベに仕立て上げるのは良いが佐藤、そんなんだといつか痛い目見るぞ。ってか見ろ。

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