Automatic Dream
気が付けば、明日はもう始業式。つまりは夏休み終了。つい昨日終業式だった様な気さえする。楽しい時間とはかくも短い物か。

まぁ、そのほとんどを自宅で過ごしたんだがな。サマーバケーションらしい事など何一つやってない。近所のスーパーのサマーバーゲンになら行ったが。

しかしそこはやはり夏休み。学校に行かなくて良い、と言うだけで、それはそれは楽しい時間を過ごさせてもらったよ。

だがそろそろ、配付された時点から目を背け続けてきた宿題と言う名の現実に目を向けなければならない時期だ。

夏休みのシメとして毎年恒例の、夏休みにおける最大のイベント。

しかも、高校生活最後の夏休み、やる気も気力も十分だ。

…………

ウソだ……。

俺の身体を原子単位で分析したって、やる気の「や」の字の痕跡さえ見つからないだろう。

無気力すぎる。

かつて無い程に。

睡眠を十分とらなかったからだろうか。

夢を、しかも変な夢を見てしまったせいで、睡眠時間はおよそ90分。

しかし不思議な事に、全くと言って良い程に眠くない。

よって気力の無さは、少なくとも眠気のせいでは無いようだ。

何故眠くないのかは、俺に聞くんじゃない。

俺だって分からん。
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