Automatic Dream
…………。

待てよ……明日って言ったか?

違った……。

全然寝た気がしないから間違えた……。

今日じゃん、始業式。

あー、マズいな。

1ページどころか、1問もやって無いぜ。

まぁ、いいや。

悩んだって仕方の無い事。

人生は一度きりだし、俺は後悔なんて物は残さぬよう生きているつもりだ。

……………。

ぐぅ……。

久しぶりだな腹の虫よ。最近顔を出さなかったけど、お前も夏休みだったのか?

仕方ないな、メシにしよう。

1人暮らしなので自炊しなけりゃならんのだ。

キッチンと呼ぶのはキッチンに失礼だろ、って位のみすぼらしい台所に向おうと腰を上げた瞬間。

何やら玄関の方から音がした気がした。我が家の投函口から。つまりはコトリと、何かが投函された訳だ。

新聞か……いや、現在3時45分。新聞にはちょっと早いな。

何だ……一体?

玄関に行くと、どうやら手紙かなにか来たようだ。郵便受けの中にはハガキ大の紙が入っていた。

ハガキ大の紙、と言うか単にハガキだった。

水道局からのハガキで、どうやら重要な事も書いて無いらしく、さっさとダストボックス行きを決めたいところなのだが、ここで俺はこのハガキのある特殊な点を発見してしまった。

ハガキの角、そこには「めくって下さい」の文字。

ほら、よくあるだろ?

めくってさ、ペリペリって、な? めくるとなんか気持ちいよな? プチプチのクッション潰すみたいなさ?
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