想い日和 <短>
―――――――――――・・・・・・・・
――――――・・・・・・・・
――――・・・・・・
「……ってアンタ、そんだけ!?」
「そうだけど?」
話し終えた私に、千波は何故か目を丸くして驚いている。
「アンタ、それだけで好きになったの?それがキッカケ?」
「……そうだよ。悪い?」
途端“あーあ”と、ため息の領域を越える程の大きな息が、千波の口から漏れた。
「私……知らなかったわ」
「何が?」
「まさか、アンタがそんな単純な奴だったとはね……」
「何それ。褒めてんの?けなしてんの?」
「感心してるのよ」
明らかにあきれたご様子。
「……どーだか」
私は、少し膨れて千波を見返す。
「でもま、よかったんじゃない?」
「何が?」
「木村、この夏レギュラー取って活躍してたみたいだし」
「……」
「夏美……?」
「……そうみたいだね」
「何?どうかしたの?」
「……うん。実はね――」
この話には、まだ続きがあったのだ。
あの時、憎まれ口を叩き合って、少しだけ素直になった私達は
1つの約束を交わしていた。
些細で、雪と共に溶けていったとしても不思議じゃないような
8割冗談まじりの約束――
―――――――――――・・・・・・・・
――――――・・・・・・・・
――――・・・・・・