想い日和 <短>
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「ふーん……で?」
「へ?で、って?」
気がつけば、千波の表情は、さっきとは打って変わって
遠足を間近に控えた小学生みたいに、楽しそうな笑みが浮かんでいた。
「何だったの?その約束」
「……それが――」
……わからないのだ。
木村との関係は、あれからも特に変わらず
会話を交わしては、相変わらずの喧嘩越しの会話を続けている。
だけど……
それだけ。
「なぁんも言ってこないんだよねぇ……。アイツのことだったら、速攻で言って来ると思ってたのに……」
「何て言ってくると思ってたの?」
「うーん……“ジュースおごれ”とか“宿題しろ”とか?」
「あはは」
急に、千波は吹き出した。
「何がおかしいのよぉ!」
「ゴメンゴメン。アンタもまだまだ青いなぁ…と思ってさ」
「もぉ!私達同い年でしょうが!」
「ありゃ?こりゃ失敬」
ベッと舌を出して、日光の猿みたいに反省のポーズをして見せる。
「そういう千波はわかってるの?木村の言いたかったこと」
「……さぁ?」
不敵な口元。
千波は、イタズラに笑ってるだけだった。