想い日和 <短>
「ふーん。じゃあそうしたら?」
「え……」
無意識のうちに、千波のノリノリの返事を期待していた私は
千波からの気のない返答に、拍子抜けのような感覚に落ちた。
「そ、それだけ!?」
「え?うん。そうだね」
「ち、千波ぃー。私はどうしたらいいのかなぁ……」
「知らなぁい。自分で考えたら?大事なことなら、私に答えを求めてないでさ」
「そんな冷たいこと言わないでよぉ……」
すがるように千波を見つめる。
何の悪びれもなく、ズバズバと指摘する千波は、実は、マイナス思考の塊みたいな私の性格を
私よりも熟知してるんじゃないかってほどに、知り尽くしている。
「ねぇ、夏美」
「何よぉ」
「アンタの中で、もう答えは出てるんじゃないの?」
「……え?」
「誰かに相談する時って、もう自分の中に答えを見つけてる時なんだと、私は思うよ」
……私の、答え――?
「あのアホが隣にいる毎日と、何もしないでそのまま失う未来。アンタが欲しいのはドッチなの?」
「……私は――」
私はアイツを失っても、今の私みたいに笑ってられるかな?
アイツがいなくなった日は楽しいのかな?