想い日和 <短>



――2月14日

………晴天。



カーテンの隙間から覗き込む光。

嫌な予感にゆっくりとカーテンを引く。



――あぁ……

瞼の上に広がる一面の晴天に、私は呆然と立ち尽くした。



太陽は眩し過ぎて、思わず顔をしかめるほどで、

“小春日和”と、洒落た名前で呼ぶには、強すぎる陽射しがそびえ立つ。




味噌汁の匂いと一緒に耳に入って来た、今朝の星座占いは4位。


……真ん中より上。

気休めにするには微妙すぎる、なんとも言えない中途半端さ。


昨日は一晩中、前向きなラブソングを耳元のコンポから延々と鳴らし続けて

一応、なんとなくテンションも上げたはずだ。




あとは……

この空――


背中を押してくれればよかったのに……




――どうしよう。

どうしようか――



空は蒼い。

地面は鼠色のアスファルト。



苦しいほどに綺麗な空と、この気持ちを――


バカみたいに大きく育った、情けなく潜むこの想いを……



今日、この日。


私は一体

どうしようか。




だって雪は

降らないみたいだから――




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