想い日和 <短>
Bitter


「もぉ駄目…もう言っちゃう!千波……



……好きなの!」

「……」

「……」

「は!?……夏美、アンタ寒さのせいで頭でもおかしくなったの?」

「……」

「まさか……本気……?」

「……うん」



私は、長年の腐れ縁、族に言う、おそらく親友である千波に

たった今、愛の告白を遂げた。


…ちなみに女。



「って、違うよー!そう言えたらなぁ……って」

「は?」

「だから!……私好きな人いるの!」

「……私?」

「なわけないでしょ」

「……」


ひとしきりの沈黙を置いた後

冷静だった千波のテンションのバロメーターは、一気に上昇した。



「えーー!!!本当にっ!!??てかアンタ、好きな人いたの?」

「……うん、まぁ」

「誰っ!」

「……」

「だーれ!」

「……木村」

「え…え゙ぇーーーー!」

「わわわわー!千波!声デカすぎ!」



あまりに張り上げられた、本来クールなはずの親友の声に驚かされた私は

慌てて、その開いた唇を両手で塞いだ。



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