犬神さまのお嫁さま
 私が思いっきり舌打ちするがママはそれに気付かず希彦を見とめるとさっきまでの涙は何処へやら。

 満面の笑顔を浮かべパタパタとスリッパの音を響かせて希彦の隣に並んだ。

 そして一言。



 「今日から希彦君はうちの子になりました!」

 「はぁあああぁぁっ?!」



 ママのとんでもない一言に思わず絶叫してしまう。


 マジで!?

 いや冗談でも正直キッツイんですけど!?

 ていうか夏休み中は関わること無いって浮かれてた私の喜びを返して!!

 私の心の叫びとは対照的に現れた希彦は優美な雰囲気を醸し出し私の前で一礼した。
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