犬神さまのお嫁さま
 「うわわわ!!」

 「やっと離れ――ッ!!」



 さっきまで男1人分を占拠してたシングルベッドが広くなる。

 貞操の危機である元凶から離れた安堵も束の間、私は希彦をベッドから蹴り落とした事を激しく後悔した。


 フローリングの床にあられもない姿で座り込む希彦に否応なく目がいってしまう。

 因みにこの『あられもない姿』というのは『全裸』という意味で。


 何1つ身に纏っていない、世間一般の表現でいうなら『生まれたままの姿』な希彦がそこにいた。


 無駄の無い引き締まったしなやかな筋肉に包まれた均整の取れた裸でその上イケメン。

 寝グセで乱れた髪が色気を醸し出している。
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