犬神さまのお嫁さま
とりあえず視覚的恐怖はどうにか回避した。
これならどうにか戦える。
希彦が距離を詰めて間合いに入ったら急所を狙って怯んだ内に部屋から逃走、リビングに逃げ込もう!
私はこの危機からの脱却プランを組み立てるとベッドの上に立ち上がり――
「甘い!!」
「――うそ!」
立ち上がり構えを取ろうと思った瞬間、私の予想よりも早く距離を詰めた希彦が目の前に現れた。
対処しようと慌てて腕を上げたところを掴まれる。
払おうと動くとその力を利用され引き倒された。
急に暗転した視界に思わず情けない叫び声を上げてしまう。
そして気が付くと前には天井と、――希彦の顔。
く、組み敷かれた。
目の前にある光景で私は自分の状態を悟った。
逃げの一手のはずが完全に『詰み』だ。
これならどうにか戦える。
希彦が距離を詰めて間合いに入ったら急所を狙って怯んだ内に部屋から逃走、リビングに逃げ込もう!
私はこの危機からの脱却プランを組み立てるとベッドの上に立ち上がり――
「甘い!!」
「――うそ!」
立ち上がり構えを取ろうと思った瞬間、私の予想よりも早く距離を詰めた希彦が目の前に現れた。
対処しようと慌てて腕を上げたところを掴まれる。
払おうと動くとその力を利用され引き倒された。
急に暗転した視界に思わず情けない叫び声を上げてしまう。
そして気が付くと前には天井と、――希彦の顔。
く、組み敷かれた。
目の前にある光景で私は自分の状態を悟った。
逃げの一手のはずが完全に『詰み』だ。