犬神さまのお嫁さま
そんな私の絶望的な状況に対し希彦は愉快そうに口端を上げて笑う。
『不敵な笑み』という言葉の見本のような企みと色気を孕んだ微笑に背筋がゾクゾクした。
「…怖いか?」
「怖いわけ…ないでしょ!」
「震えてるくせに」
確かに希彦の言う通り震えている。
だって両手を押さえつけられててその上覆い被されてたら怖いに決まってんじゃん!
だけどそんな弱気を見せたらコイツの思うツボに決まってる。
私は体の中に残った強気な気持ちをかき集めて自分自身を奮い起こす。
目の前の端正な顔をキッと睨みつけた。
「居候って立場、分かってんの?」
「お前こそ俺の嫁だって立場、分かってるのか?」
「質問を質問で返さないで!だいたい私はアンタの事好きじゃない!」
『不敵な笑み』という言葉の見本のような企みと色気を孕んだ微笑に背筋がゾクゾクした。
「…怖いか?」
「怖いわけ…ないでしょ!」
「震えてるくせに」
確かに希彦の言う通り震えている。
だって両手を押さえつけられててその上覆い被されてたら怖いに決まってんじゃん!
だけどそんな弱気を見せたらコイツの思うツボに決まってる。
私は体の中に残った強気な気持ちをかき集めて自分自身を奮い起こす。
目の前の端正な顔をキッと睨みつけた。
「居候って立場、分かってんの?」
「お前こそ俺の嫁だって立場、分かってるのか?」
「質問を質問で返さないで!だいたい私はアンタの事好きじゃない!」