犬神さまのお嫁さま
 私はこの際こじつけでもいいから適当に理由を見つけ尤もそうに犬神を推す。

 その必死の説得(?)に菜穂がふぅっと溜息を吐いた。



 「言っておくけど私と付き合うなら条件は厳しいわよ」

 「あー確かに厳しそうだよねー」

 「そう言えば菜穂って誰かと付き合ってるって話聞かないね」



 そう言って私は菜穂を見る。綺麗な長い黒髪で涼やかな目元。

 和風美少女たる姿に真面目で成績優秀、クラス委員長で先生たちの信頼も厚い。

 男子目線で見れば放っておくなんて勿体ないと思う。


 …だけど。
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