犬神さまのお嫁さま
 猛ダッシュしながら私はテストの事を考え盛大に溜息を吐いた。


 今まさに始まろうとしているのは私が一番苦手な古文のテストだ。

 ああ、テスト前の見直し出来てない。


 直前の見直しが出来なかったのも痛いけど朝からのあの出来事を考えると頭も痛くなってきた。

 正直に言ってテストを集中して受けれるかどうか…。

 思わずぐったりしてしまいそうな現実を振り払うように私は頭を左右に振って思考を切り替える。


 ああもう!赤点だったら希彦のせいにしてやるんだから!! 

 私はそう心に誓うと一刻も早く教室に戻る事に専念した。
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